2008年05月26日

惻隠の情

 まったく何をやってるんだか・・・

 今回は琴欧州の初優勝に湧いた大相撲でしたが、千秋楽も最後の最後、横綱どうしの戦いでは土俵に手をついた白鵬を朝青龍がいつもの悪癖でダメ押しにかかり、カッとなった白鵬が起き上がりざまに朝青龍を払いのけ、両者にらみ合う場面がありました。カッとなる白鵬もどうかと思いますが、私は朝青龍のダメ押しには以前から不快感を感じていました。すでに土俵から出ている(勝負のついた)力士を更に突き放すように押して勝ち誇って見せる態度はまったくと言ってよいほど横綱の品格に欠けるもの。
 
 モンゴル出身の彼には分かりにくいのかも知れませんが、大相撲というものは勝敗や強弱を決するばかりのものではなく、日本の伝統や精神、あるいは様式美といったものを伝承するために国技として培われているものだと思うのです。その中には惻隠の情といったものもあるでしょう、まさに勝者こそ敗者に敬意を払って健闘を讃えるべきではないでしょうか。

 更に“横綱”という位について私見を申し上げるなら、「大相撲における番付の最高位は大関である。」と私は考えています。勝ったら上に上がり、負けたら下がるという番付の仕組みは大関までで、ひとたび横綱として認められた者はどんなに負けても番付が下がることはありません。下がることを許されない位。弱くなれば引退が待っているだけなのです。つまり関取の中で横綱だけは他とは圧倒的に違う名誉職だと思うのです。その二人がカッとなって勝負のついた土俵で観衆のさなかのにらみ合いとは・・・勝ち続けることはもとより下位の者を教え導く姿勢の無い者に横綱の資格などあるはずもない。
posted by おさだ at 07:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治