3泊5日の強行スケジュールでしたが、神奈川県議会各派から選出された議員9名が神奈川県の友好都市として30年間のお付き合いをしてきた米国メリーランド州を訪問して参りました。
ワシントンDCに隣接するメリーランド州は、米国が独立した際に最初に連邦議会が設置された場所で、いわばアメリカ合衆国建国の地。その歴史ある州議会ではマクドノー州務長官始め、上院下院の議長らと歓談し、日米両国の地方自治制度の違いなどについて様々な意見交換を行いました。なにしろ独立国家なみの権限を持っている米国の州ですから日本の都道府県と比較すればその権能の違いは歴然。我が国も地方分権を早く進めなければ!そんな思いがつのります。
また、行政の色々な取り組みも視察させて頂きました。まず印象的だったのが「メリーランド州危機管理庁」。常設のこの機関では大規模災害や有事の際に「危機管理本部」が立ち上げられ、即応本部では危機管理庁長官の指揮のもと州警察、消防、保健衛生部門などの各行政機関、そして連邦政府やFBI、ペンタゴンまでもが連携して即応体制を敷く仕組みができているとのこと。その中央司令室や情報収集のシステムを現地で見ながら、現地担当者とディスカッションを行ないなした。

日本では自衛隊や消防、警察などが、一人の指揮官のもとに統括的な指揮命令に基づいて動くような体制が取れていないのは3.11の経験から明らか。改めて我が国の縦割り行政の壁と有事に対する日米の意識の違いを実感させられました。
また、日米の行政組織の違いについて痛感させられる取り組みはほかにも・・例えば日本でも運行されているドクターヘリについてですが、米国ではこれを警察当局が運行しており、犯罪時の犯人追跡や逮捕と水難などの救急患者の搬送もまとめて同じヘリコプーター部隊と資格を持った警察官が担当しており、その合理性に感嘆させられました。それに比べ“日没後は飛べません”“高速道路には降りられません”といった制約だらけの我が国のドクターヘリについて、改めて課題を突きつけられた気がしました。

ホワイトハウスは立ち寄っただけ・・・思ったより小さいんですよぉ、驚きました!そして街ではオキュパイトワシントン(ワシントンを占領!)と言うそうですが、米国内の貧富の差などに抗議して公園にテントを張って抗議活動をする市民の姿が印象的でした。
片道14時間のフライト。強行スケジュールを終えて成田に降り立てば悪天候。肌にまとわり付く湿気・・帰路のベイブリッジは風雨のため通行止め・・ちょっと疲れた友好訪問でした。