新年あけましておめでとうございます。
令和四年の新春を迎え神奈川県政のこれからを展望すれば、どうしてもアフターコロナという視座は必定であるし、でもそれはコロナ禍の反動でV字回復、新しい社会の到来みたいなことではなく、この一年は足許を見つめなおす一年にすべきだと思っています。(もちろん私自身も含めて)
神奈川県政においては黒岩知事による施政が三期目の最終年を迎える今年。これをどう評価し、次の県政を黒岩氏も含めて誰にどう託すか・・ということをしっかりと考えなければいけない時に来ていると思います。この11年間の黒岩県政では、ヘルスケア・ニューフロンティアとか未病、ソーラー発電やロボット産業といった刺激的で未来創造的な政策が掲げられて来ました。これは黒岩知事の就任とほぼ同時期に誕生した安倍政権のアベノミクスによる好況感に支えられ、それなりの施策展開が図られました。私もなんやかやと言いながらもその政策に未来への夢を託して来ました。
しかし・・・この2年間のコロナ禍によって「県政の在り方」と「県民が県政に望むもの」は大きく変化したと思います。未病もロボットもソーラーも県政の大切なテーマであることに変わりはありませんが、ウイルスと戦う危機事象の中で都道府県政がこの分野での国民保護の主役となり、職員も全庁コロナシフトの中で、これまで経験したことのない公僕としての使命に奔走されたものと思います。
これからの神奈川県政は、この経験を基に「地に足の着いた、地味でも頼りがいのある」ものに変化して行くことが大事だと私は考えています。
したがって、私たちが行っていることはあくまでも地方自治であることの本旨に鑑み、「神奈川が変われば日本が変わる」といったオピニオン的な発想を改め、ヘルスケアなどの近未来的な政策アプローチについては、これからはいかにして行政の手から放せるかという方向性を模索すべきだと考えます。
そのうえで、感染症や自然災害などの危機事象に対応できる体制の整備と、障がいや貧困といった社会的弱者に対するフォロー体制の強化を図ることが大切であり、こうした事こそ地に足の着いた政策の基本であると私は考えます。
そして、経済政策については国家のリードのもとに、自治体がそれぞれ分担して役割を担う形にすべきだと思います。自治体どうしが予算をつぎ込んで企業誘致を競ったり、都道府県立の技術研究所がどこも同じような分野の研究をして先を競ったりといった現状は、効率的な投資とは思えません。現下の情報技術の進歩や、中国などの統制型国家の台頭を考えれば、技術革新や新産業の創出、知的財産の保護そして脱炭素といったことは、国家による統一的な政策展開が迅速に行われるべきであり、神奈川県のような自治体はそれを補完する立場に立つべきではないでしょうか。
他にも多様な教育行政の在り方、サイバー犯罪に対処できる警察行政、インバウンドの再構築などなど課題は多様でありますが、それらはあくまでも「地に足のついた、地味でも頼れる」取り組み方が求められるのだと思います。
年頭から長々と書いてしまいましたが、最後までお付き合いくださりありがとうございました。
本年も当ブログのご愛読をよろしくお願い申し上げます。