今朝、丹沢の山々を望むと、大山の右後方にそびえる蛭ヶ岳には雪が積もっていました。蛭ヶ岳は丹沢山塊の最高峰(1673m)です。

学生の頃、講義に立った外国人の講師は日本に西暦と和暦があり、それが紛らわしいと切々と訴えたものです。「ショウワ、ロクジュウイチネン と セイレキ、センキュウヒャクハチジュウロクネン ですよ、分かりにくいですねぇ」と、外国人には分かりにくいダブルスタンダードだと言うのだ。「皆さん、100年前は和暦の何年ですか?」そして正月休みまで取り上げて、なぜニューイヤーの始まりに何日も休むのか?これでは世界のマーケットの動きに乗り遅れると日本の習慣の不都合を訴えた。
しかし、講義の中盤彼は話のトーンを変え「でも、和暦には良い所がある」と言い始めた。「ソレハキブンノ、イッシンです」つまり元号が変わることによって国民の気持ちを一新させて新たな社会づくりに向かって行こうこという日本人の知恵だと言うのだ。「コレコソ、ノボルアサヒをオガミ、ヒビをアラタニイキヨウトする、ニホンのココロです」天皇の崩御と共に、飢饉や災害に倦んだ民の心を一新させる。まるで生物が子から孫へと生まれ変わることによって種を保って来たように、その不連続の連続の思想こそが万世一系の天皇の存在を生んだのだと。
まさに膝を打つような思いのする講義だったことを覚えています。
いよいよ改元の日が近づいてまいりました。
厳かな気持ちでその日を迎えたいと思います。