2019年11月04日

ゴミの有料化について

 発展し、変化の著しい海老名だからこそ、過去の経緯や歴史をわきまえず、目先のことで政治が動けば、まちの未来はとても危ういことになります。

 昭和38年、海老名市本郷に海老名、座間、綾瀬、三市のゴミを処理する施設が作られました。当時はゴミを焼却することよりも、各家庭のトイレがくみ取り式でしたから、そのくみ取ったものを処理することがメインの施設です。ですから当然臭いがしないわけがありません。以来、施設の地元住民はその悪臭に苦しむことになりました。
 ある日、小学校の社会見学がこの施設で行われました。子供たちはあまりの臭さに鼻をつまみました。そして翌日のこと、この地域に住む子供たちの前でクラスメイトが鼻をつまみました。「本郷のやつらくせー」今で言うイジメです。そんなこともありました。
 そして平成、今度はダイオキシン問題。
 煙突から何やら大変な毒が排出されていると連日のニュース。それは周辺の土壌を汚染し、そこでできた作物を食べるとガンの発症率が上がる。新生児に身体の障害が増える、などといったことが言われました。地元の住民の不安と恐怖は大変なものです。
 それなのに・・・今度は「焼却炉が老朽化したので、新しいものに建て替えます」と行政。地元の住民が賛成してくれるわけがありません。「建て替えるなら別の場所に移して欲しい」「今度は座間か綾瀬に造ってもらえばいい」「海老名市内だって他に場所があるだろう」そんな反発が長いこと続きました。

 でも、どこも、だれも、この施設の移転を受け入れてはくれません。

「どうか本郷の皆さん、今の場所での建て替えを受け入れて下さい。」

 海老名の市長も座間、綾瀬の市長も本郷の自治会館で住民を前に、畳のへりに額をこすらんばかりにしてお願いをしました。そうでなければ、やがて街にゴミがあふれてしまうことになる。

 まさに苦渋の決断でした。たび重なる説得のすえ、本郷の皆さんはこの焼却炉の建て替えを受け入れてくれました。しかし、その際に付けられた最低限の条件。それは、ゴミを減らすこと。
「ゴミを減らして下さい。私たちの不安はゴミが減った分しか減らないのです」と。
 あたりまえのことですよね。
 そこで、海老名市では資源分別を強化するなどしてゴミを減らす対策を強化しました。しかし、ゴミは減らず、むしろ増える傾向が続きます。これでは焼却炉の建て替えを受け入れてくれた住民との約束が果たせません。
 そして、これもやはり苦渋の決断ですが、ゴミの有料化というとても辛い施策を海老名市が取り入れることになります。ゴミの有料化なんて喜ぶ市民がいるはずもありません。それでも有料化によってゴミを大幅に減らした自治体の例はたくさんある。やがて議会もこれを了承し、先月から海老名市のゴミは有料化されました。

 その結果ゴミは30%程度減っているそうです。

 これで本郷の皆さんとの約束が果たされたのかは分かりません。でも、市民を説得して有料化を実施した政治は間違っていないと私は思います。
 昨日から始まった選挙。よそからこのまちに乗り込んで来て、ゴミ有料化を撤回して無料にもどすと公約している候補者がいます。ものごとの経緯も知らず、わきまえず、目先の票を目当ての公約に賛同できるはずもありません。

 一票を投ずる際の、ご参考になれば幸いです。
 長田進治 
posted by おさだ at 07:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々雑感
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